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東京地方裁判所 昭和32年(ワ)6715号 判決

原告 日本国有鉄道機関車労働組合

被告 日本国有鉄道

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

原告訴訟代理人は

「被告は、原告が別紙目録第一記載の日に申入れた同目録記載の事項について別紙目録第二記載の交渉委員による団体交渉に応ずる義務があることを確認する。訴訟費用は被告の負担とする。」

との判決を求め、

被告訴訟代理人は

本案前の答弁として

「原告の請求を却下する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を

本案の答弁として

「主文同旨」

の判決を求めた。

第二当事者双方の事実上の主張

原告代理人は、別紙第一の一、二のとおり請求原因を述べ、

被告代理人は、別紙第二の一、二のとおり答弁を述べた。

第三立証

原告代理人は、

甲第一ないし第五号証、甲第六号証(写)、甲第七号証の一、二、甲第八号証の一ないし六、甲第九号証の一、二、甲第一〇号証を提出し、

乙号各証の成立を認めた。

被告代理人は、

乙第一、二号証の各一、二、乙第三号証、乙第五号証の一ないし六乙第六号証を提出し、

甲号各証の成立(甲第六号証については、原本の存在と成立)を認めた。

理由

第一当事者

被告が日本国有鉄道法に基いて鉄道事業等を経営する公共企業体であり、原告は、被告の機関車、電車および動車に関係ある職務に従事する職員を主体として組織する法人たる労働組合であることは当事者間に争ないところである。

第二被告の本案前の抗弁について

一、原告組合が昭和三二年五月二三日その第二二回定期中央委員会において、同月一四日被告より公共企業体等労働関係法(以下公労法という。)第一八条の規定により解雇された黒川与次郎を中央執行委員長に選出したことは当事者間争ない。

二、被告は、右解雇通告により黒川与次郎は被告の職員たる地位を失い、従つて、公労法第四条第三項により原告組合の役員たる資格を失つたから、原告組合を代表して本訴を提起する資格がないものであると主張する。

三、公労法第四条第三項によれば、「公共企業体等の職員でなければ、その公共企業体等の職員の組合の組合員又はその役員となることはできない。」と定められているが、この趣旨は、公共企業体等の職員(以下、職員という。)が、その企業体以外の労働者と団結しまたはかかる団結へ加入することを禁止しているものとは解されない。

蓋し、公労法第四条第三項の文言からいつても、職員が他企業の労働者と団結したり、又はかかる団結へ加入することを禁止する趣旨とは読みとれないし、またかかる結成、加入を禁止しているとすれば、憲法第二八条が労働者が企業別にせよ、職種別にせよ、どのように団結するかは、その自由とし、その自由を憲法上の権利として保障している趣旨に反する結果になるから、立法者がかかる立法をしたものとは到底考えられないからである。

被告は、被告の企業が国民の自由権、財産権等の基本的権利の消長に重大な関係があるから、これらの公益を守るため、公労法は前記第四条第三項をもうけて労働組合に対する部外者による千渉や支配を排除して、職員の中に争議などの違法行為を行つたりこれをあおり、そそのかす者があつてもこれを解雇し、その職員たる身分を失わせ、組合外へ排除することによつて、その影響をたちきり、それらの者の不当な行為が被告の正常な業務の運営を阻害する結果を防止しようとしたのであるから、前掲第四条第三項は、団結権を制限する趣旨であり、しかも右制限は公共の福祉を守るため、やむを得ない制限であつて、憲法に違反するものでないと主張する。

しかし、憲法上保障されている団結権を明文の規定がないのに制限して解釈するのは、妥当な法解釈の態度とは考えられないし公労法上争議権を制限されている職員がその制限に違反しないようにする措置はすでに公労法上備わつており、その上かかる争議権を制限された職員の団結が常に特定の使用者に従属し、その構成員のすべてがその使用者よりの解雇の脅威にさらされていて非自主的な組合に堕する虞のある団結でなければならない程の公共の福祉は存在しない。

すなわち、労働者が自由に、かつ、自主的に団結することが団結権の本質であつて、かかる団結権を憲法上保障することによつて公共の福祉が維持されるとする憲法の精神および団結権の行使自体から国民全体の利益に対する直接的かつ具体的な危険が発生することがないことから見て、憲法は、自由に自主的に組合を結成するという団結権の本質的部分までを制限できる公共の福祉があるものとは考えていないと認めるのが相当である。

四、以上の観点から、見ると、成立に争ない甲第一号証によれば原告組合は、原則として日本国有鉄道の機関車、電車および動車に関係ある職務に従事する被告の職員で組織し、その組合員が職員たる身分を失つたときは、組合員の資格を失うことと規約上定められているが、原告組合の第六回全国大会において、組合機関が不当解雇と認定した場合は、その被解雇者は組合員たる資格を失わないものと定められたことが認められ、結局原告組合は、被告の機関車等関係の職員およびかかる職員で被告から不当に解雇された者との団結であると認めるのが相当である。

かかる団結も労働者の自主的な団結としてもとより適法であり、黒川与次郎は前記のように被告より解雇の通告を受けたけれども、成立に争ない甲第九号証の一、二によれば、原告組合の昭和三二年五月九日一〇日の第六〇回、第六一回中央斗争委員会において同人等の解雇は不当であると認定されたことが認められるから、黒川与次郎は、原告組合の組合員たる資格を有するものといわなければならない。

そして成立に争ない甲第一号証によれば、原告組合の中央執行委員長は組合を代表する資格を有すること明白であるから、前記のとおり原告組合の中央執行委員長に選出されたこと当事者間争ない黒川与次郎が原告組合の代表者として本訴を提起する権能を有するというべきである。

よつて、被告の本案前の抗弁は理由がない。

第三原告組合の性格

一、原告組合は前記認定のとおりの団結であるが、かかる団結は公労法にいう「職員の組合」に該当するであろうか。

公労法第四条第三項によれば、同法にいう「職員の組合」とは職員のみで結成する組合を指称すると解する外はない。

原告は、右条項は任意規定であると主張するが、元来同条は、同法にいう職員の組合とは職員のみで結成する組合であるとその意義を定めた条文であると解すべきで、本来限定的な内容をもつものといわなければならないところであつて、任意規定と解すべき根拠はない。

原告は、公労法上職員の団結が職員のみの団結たるように強制する手続がなくなつたことを理由に現在は公労法第四条第三項の規定は任意規定であると主張するようである。

なる程、同条項は職員の団結が職員のみの団結でなければならないことを宣言しているものでないことは、すでに述べたとおりであるが、公労法にいうところの「職員の組合」とはいかなる組合であるべきかは立法政策上自由に定められるところであつて、公労法の規定によれば、立法者は「職員の組合」とは職員以外の者が加入できない組合か、又は加入していない組合とする政策をとつたものと解する外なく、職員以外の者が加入でき、かつ、現実に相当数の非職員が加入していても、なお公労法上の「職員の組合」であるといえるものならば、立法者が公労法第四条第三項をもうけた趣旨は全く無にひとしいという外はない。

従つて、かかる解釈を採用することのできないことは当然である。

また原告は(イ)解雇の効力を争つている職員も被告と労働関係にあるのであるから、右条項にいう職員の中に含まれるとか、(ロ)仮に含まれないとしても、かかる解雇の効力を争つている職員の組合員資格については、法は何等の規定を設けていないのであるから、かかる場合の補充法たる組合規約の定めるところにより、組合員たる地位を保有するかどうかが決定されると主張する。

しかし、(イ)公労法第二条第二項には同法にいう職員に関する定義があり、同法上職員とは公共企業体と雇用関係が存在しているものとしているので、同法第四条第三項にいう職員の意義のみを別異に解釈すべき合理的根拠に乏しく、(ロ)しかも、もし法がかかる者をも職員の中に包含する趣旨であれば、職員と非職員との区別を明確にするため、当然解雇の効力を争う方法や期間を限定する措置をとつていたと思われるのに、法がかかる措置をとつていないし、(ハ)また公労法立法の審議経過に鑑みても、かかる解雇の効力を争つている者を交渉委員とする余地を残すことによつて、職員であるか、非職員であるか未確定の者につき組合に関与できる途を残し、これにより必ずしも不当な結果は生じないものと考えられていたことが認められるので、公労法第四条第三項の職員の意義も同法第二条第二項の職員と異なるところがないものと解釈するのが相当と思われる。

また同条項にいう職員の意義が右のとおりであつて、職員の意義が客観的に定まるべきものである以上、解雇の効力を争つている者の組合員資格について法の欠缺があると称し得ないこと当然である。

二、原告組合の規約が、被告より不当に解雇されたと組合の認めた者をも組合員としていることは前記認定のとおりであるが、原告の本訴における主張は、右解雇が有効であるか無効であるかは本件に関連がないというのである。

換言すれば、被告の前記解雇の意思表示が有効であつても、被告は原告に対し団体交渉義務を負つているという主張であつて、それ故解雇が無効であるという理由を主張していないのである。

従つて、原告の請求の当否を判断するについて被告より解雇の意思表示を受けた者が原告組合の組合員又は役員になつていることを前提とし、その解雇が無効であるかどうかの点を考慮の外において結論を示さざるを得ないし、且つそれをもつて足りるわけである。

以上の前提に立つて、(イ)原告組合の規約上組合機関が不当解雇と認定しさえすれば、その解雇の有効、無効を問わず組合員たる地位を保有すること(ロ)当裁判所に顕著のように解雇の通告を受けた原告組合の組合員は現在いずれも組合において中央執行委員長等極めて重要な地位にある人々であることを考え合わせると、本件訴訟においては、原告組合が職員だけで結成している組合であると認定することはできないところである。

原告は、原告組合が公労法にいう「職員の組合」であるというならば、職員以外の者が加入できないという同法第四条第三項の制約を免れるすべがないのであるから、少くとも原告組合の代表者に対する解雇が無効であると主張、立証すべきものと思われる。

第四原告組合の団体交渉権

一、原告組合が職員のみの団結でないとしても、憲法上団体交渉権を保障された組合であることは当然である。

しかし、法が原告組合と被告との間に権力的に介入して、被告が原告組合に対して団体交渉を正当な理由なく拒否しないように義務づけているかどうかは更に検討を要する。

公労法は、職員のみで結成する「職員の組合」について特に一章をもうけ、更に第九条から第一二条までにより交渉委員による職員の組合との団体交渉手続ないし苦情処理の手続をもうけているので、同法は職員の組合との団体交渉を通じて公共企業体の正常な運営を最大限に確保しようとしていることが窺われる。

このような観点から公労法第三条が公労法に特別の規定が存するかぎり、その点に関する労働組合法の適用が排除されることとし、その公労法上の特別規定として労働組合法第七条第二号中「使用者が雇用する労働者の代表」とあるのは「労働組合を代表する交渉委員」と読み替えて適用することとしていること、交渉委員という制度は公労法が職員の組合についてのみ定めた制度であることを考え合わせると公労法は公共企業体の団体交渉拒否が不当労働行為を構成する要件を、職員の組合の交渉委員に対して正当な理由なく団体交渉を拒否することに限つたものと解するのが相当である。

以上のように解釈することは、別に憲法第二八条に違反しないし、仮に右読替規定にいう労働組合を「職員の組合」はもとより、職員が加入している他の一般の労働組合をも包含するとすれば、公労法が「職員の組合」と団体交渉をすることを通じて公共企業体の正常な運営を最大限に確保しようとする立法趣旨は全く空に帰するばかりでなく、そもそも同法が他の組合と区別して「職員の組合」なるものをもうけた意義もなくなるものという外はない。

換言すれば、公労法は、職員の団結が職員のみの団結になるように誘導するため、職員のみの団結に対して公共企業体等が団体交渉を正当な理由なくして拒否することを不当労働行為とする政策をとつているものというべきである。この点について、公労法は、不当労働行為に関する公共企業体等労働委員会の救済手続に参加する資格について、同法第四条第三項は関係がないこととなつているとの反論があるかも知れない。しかし、公労法が不当労働行為の実体上の構成要件「職員の組合」との関連においてのみ規定している以上、その救済手続に参加する資格と同条項との関連を切り離しているのは、むしろ当然というべきである。

従つて、法は原告組合のような職員のみの団結と称し得ない組合と被告との間に介入し、かかる組合に対して被告が団体交渉を正当な理由なく拒否することを不当労働行為としてはいないものという外はなく、しかも公労法は、被告に対して労働組合法第七条二号の適用を排除しているから、被告は原告組合のような一般組合に対して団体交渉に応ずるよう義務づけられていないというべきである。

二、以上のとおりとすれば、原告組合の団体交渉権を有する根拠となるものは憲法第二八条のみということになる。

然らば、憲法第二八条のみによつて、被告が原告組合に対して団体交渉に応ずる義務を負担するであろうか。

思うに憲法第二八条によつて保障される権利の内容は、国家がかかる権利実現のため積極的な措置を講ずべき責務に対応するものであつて、同条によつて直接には労使間に具体的な権利義務が設定されるものではなく、団体交渉権等を憲法が権利として保障することによつて、国家がそれらの権利の実現に関与し、助力すべき責務を負つていると共に使用者においても、かかる権利を否認しないようにすることが憲法の下における公の秩序であることを宣言し、従つて国家としては、これに反する行為の効力を否認し、使用者の団体交渉の拒否が正当でないならば、これを違法と評価し、労働者のために損害賠償請求権を発生せしめるものと解するのが相当である。

以上の見解によれば、被告が現在原告組合の団体交渉の申入に応じないことが違法であると仮定してみたところで、被告が原告に対して団体交渉に応ずべき法律上の義務が発生する筋合ではないという外はない。

従つて、原告が憲法上団体交渉権を保障されているということは、被告が原告の団体交渉の申入に応ずべき法律上の義務を原告に対して負つているということを意味しないというべきである。

原告が確認を求める被告の団体交渉義務とは被告が原告に対して負担している法律上の義務をいうのであるが、被告はかかる義務を負担しているとはいえないし、また原告が憲法上の団体交渉権を有していることの確認の趣旨であるならば、かかる権利を確認してみたところで、原告の被告に対する具体的な権利ないし法律関係に何等影響がないのであるから、かかる関係の確認は、民事訴訟法上許されないものというべきである。

以上のとおり、原告の本訴請求は理由がないから、これを棄却し、訴訟費用の負担について民事訴訟法第八九条を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判官 西川美数 大塚正夫 花田政造)

目録第一、第二〈省略〉

別紙第一の一(請求原因)〈省略〉

別紙第二の一(答弁書)〈省略〉

別紙第二の二(準備書面)〈省略〉

別紙第一の二(準備書面)

第一、被告答弁書主張の法律論中第一の二の(一)及び同第二は、すでになされた多数の裁判例に反する独自の見解である。

第二、被告答弁書主張の法律論中その他の主張も、いずれも理由がないが、本準備書面では特に第一の二の(三)の主張に対して以下のとおり反駁を加え、訴状請求原因三の主張を補充する。

一、被告は、答弁書第一の二の(三)において、係争中の被解雇者の地位を金銭貸借の例になぞらえ、法律関係は客観的には決つているが主観的に当事者の意見が異つているに過ぎない旨主張しているが失当である。

二、労働関係は、金銭貸借のような一回的な法律関係ではない。個別的労働関係をとつてみても、身分関係に類似するというも過言でないところの継続的な法律関係であり、個別的労働関係の背後はさらに「労働組合」の団結権の関係につながつている。このような特殊性を有する労働関係は、これを金銭貸借関係の法理で割切ることは不可能であり、誤である。

三、さて、個別的労働関係は、労働契約によつて発生するのが通常であるといえよう。然し、労働契約によつてのみ発生し、当該労働契約の終了と同時に消滅するとは限らない。正確にいえば労働契約と労働関係は外延と内包を異にしている〈出典名 省略〉樽崎他訳「労働法原理」一四八頁 以下に契約なき労働関係の数例が説かれている。)このようにして存在する労働関係は、市民法上の占有関係にも比すべきものであつて、労働契約の発生、消滅によつて直ちに左右されるものではない。(同様の考え方をとるものとして柳川他(追補判例労働法の研究」一四五頁参照)。

そこで、次のことが言えよう。公企体の職員が解雇通告をうけ雇用関係存在確認の訴を起し係争中の場合、労働契約の客観的存否に拘らず、その職員の労働関係自体は存在している即ち、解雇通告を受けた職員がその不当性を争つて使用者と交渉をなし或いは解雇の条件について協議をなすということは当然である。現に原被告間の労働協約においても、職員の地位を失つた者について、他の職員と同様に使用者に対し苦情処理を行う権利を認めている(苦情処理に関する協約第一条第二号)解雇通告を受けた職員でもこれを争う限りなお労働関係は存在していることの一証左である。

四、公労法第四条第三項にいう「職員」が労働契約の客観的に存在する者だけをさすか、それとも前記三の「労働関係」の存在する範囲の者をさすかは、まさしく法解釈の問題である。本法において「職員」とは「公共企業体に雇用される者であつて役員及び日々雇い入れられる者以外のもの」をいう(第二条第二項第一号)が、「雇用される者」とは労働契約が客観的に存在している者だけ(狭義)と解すべきでなく、労働関係の存在する者(広義)と解すべきであろう。その根拠を挙げると次のとおりである。

(イ) 公労法第十二条は「公共企業体等及び組合は、職員の苦情を適当に解決するため、公共企業体等を代表する者及び職員を代表する者各同数をもつて構成する苦情処理共同調整会議を設けなければならない」と規定している。この場合苦情ある職員」には当然に免職された者を含むと解すべきである。

(ロ) 公労法第十二条第二項に基いて締結された原被告の「苦情処理に関する協約」第一条第二号は「免職の処分をうけた職員の身分を失つた者の苦情は、本人に免職発令の通知があつた日から三十日以内に申告しなければならない」とあり公労法第十二条の「職員」中に解雇の通告をうけた者を包含する趣旨が原被両告の間で確認されていることは明らかである。

(ハ) さらに公労法第二十六条は「委員会は、公共企業体等とその職員との間に発生した紛争について、関係当事者の双方若しくは一方の申請又は委員会の決議により、あつせんを行うことができる」と定めているが、この「職員」に解雇通告を受けたものは含まれず、従つて、解雇したことによつて生じた紛争は委員会のあつせんに適しないなどという解釈がとりえないことは、何人も認めざるをえないであろう。以上の根拠に立つと、職員も概念を「労働関係」の存在する者と解し、係争中の被解雇者を含め広義に解することが、公労法の精神に適合するといえよう。被告主張のように狭義に解するなら公労法自体が自己矛盾に陥るのみならず、訴状第三項に記載した如く、労働組合の本質的な機能と自主性が失われ、憲法第二十八条に違反することとなり、実質的にも全く不合理な結果に陥る。最後に、被告主張の所謂「本条の立法趣旨」自体からいつても、係争中の被解雇者を組合から強行的に排除しなければならない理由は存しない(結論同旨吾妻続労働法一四六頁)。

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